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ナミダカラ・ホシダカラ

異榻同夢(いとうどうむ)の友よ / 2015年4月11日~

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トキさん

斎藤隆介著「トキ」
十代の前半に読んで、辛くなった。

これが お前の未来の姿だと、誰かに言われた気がして、
夢も希望もない子どもには、受け入れかねた。

好きな物語なのだが、
そばに 優しい お祖母ちゃんがいる「トキさん」だからこそ、
容貌のせいで腐ることもなく、生涯 元気で畑仕事に勤しみ、
独り身でも、周囲の人に慕われ、幸福に暮らせた。

自分のことで精一杯の大人しか周囲にいなくて、
助けを求めても、頓珍漢な説教が返ってくるだけの世界にいて、
「トキさん」のように、純真では既になかったし。

惜しみなく、源泉かけ流しの温泉みたいに、
難しいことは何も言わず、優しさと温かさを醸し出している。
そんな「トキさん」のように、どうすれば なれるというのか。
条件付きの愛情しか、与えられた記憶がないのに。

そんなことしか考えられない餓鬼だった。
見返りを求めない愛情の恩恵には、
気づかなかっただけで、自分も あずかっていたということは、
最近になって、多少は認めれらるようになった。

(遅すぎる)

腸内細菌みたいなものじゃないかと思う、人の世も。
悪玉菌と 善玉菌は 少数派で、

日和見菌が 圧倒的に多くて、理解も得られやすく、
悪に引きずられもするが、余裕さえあれば 多分、善良に生きられる。
 
悪玉が のさばると、
石が流れて 気の葉が沈むような、狂った世界が 出現するのだろう。

防犯のために、すべての挨拶を 禁ずるとか、
防犯のために、目立たないことを 最優先して生きろとか。
そんな教育は 変だ。

イスラム教徒が 物凄い勢いで増えているのは、
日和見菌を大切にする工夫が 凝らされているからだろう。

イスラム世界では、弱者・障碍者が、卑屈にならずに済む。
強者の驕りや強欲を中和して、天国に近づける尊い存在だから。

自分が悪玉菌に生まれるか、日和見菌に生まれるか、
善玉菌に生まれるかは、選択できないとしても、

日和見ヒトノコ菌は、
悪玉に だまされないように「考える」必要があると思う。

悪玉ヒトノコ菌は、
自分たちが世に憚れば どうなるか「学ぶ」必要があろう。
(そう自覚して、私は学んでみたですよ)

善玉ヒトノコ菌で 生まれた人は、
「勇気」を出して、旗を立てなされ。







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