忍者ブログ

ナミダカラ・ホシダカラ

異榻同夢(いとうどうむ)の友よ / 2015年4月11日~

Good luck and good bey

 
コナラの1粒種は、すくすく育っていたのが、
突然、夏に…
 
枯れちゃった。
根詰まりして、窒息。
 
一昨年の秋に、1リットルは ありそうな ビニールポットに培養土を入れて、
ドングリを寝かせ、防虫効果のある 青森ヒバの オガクズで上を覆った。
ポットの底には、1円玉くらいの穴が開いていた。
 
その下には、木製の大型のプランターを置き、
土を たくさん 盛っておいた。

親の木は、真っ直ぐに 根をおろし、
ビニールポットの下の、中型のプランターに 根を張り、
花実をつけた。

親木と同じ場所(日影)に置かれた 子が、
1年足らずで、枯死するなんて、…

植物にも、
意識のような、感情のような、魂のような ものが あることを、
愚かな私は 知らなかった。

ポットが 接する プランターの 表土の下に、
私は、薄く 炭を埋めていた。

それは、親木の育ったプランターの底に 敷いてた板状の木炭で、
あの強く 逞しい 樹の子どもなら、
ちゃっかりと 隙間を突き抜けて、根を張り 生き抜くと思ってた。

「控え目にね」
「余り伸びると 切り殺されてしまうから」
ポットを置くとき、私はそう念じた。

春に芽を出し、
背丈を伸ばすのを遠慮して、…
その代わりのように、脇芽を出して、

主根は、ポットの底を 時計回りに 何重にも巻いて伸びていた。
枝根は ポット内に充満していたが、底の穴からは1ミリも出ていなかった。

親木の臨終の記憶が、その子に伝わり、
斬り殺されまいとして、親と違う生き方を選ばせた。
そうとしか思えない。

親の樹の記憶が、どうやって子に伝わったのか、
場所に残されていたのか?
炭や土を介してか?
直接、種子に託されたのか?
…それは分からない。

…枯れるまで気づかなかった、愚かな私を、
…許しておくれ。
 

林檎の兄弟は、北向きの窓辺で控えめに育ち、

秋に葉を落とし、

林檎を差し入れてくれた人の家に、引き取られていった。

良かった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

   
   
   
PR